調査方法と採点基準
このサイトの調査記事(CVSCAN Lab)と業種別ベンチマークは、20業種603サイトを同一基準で実測した診断データに基づいています。 どう選び、何を、どう採点したか。再現できる形で公開します。判断の分かれる部分や、この方法で分からないことも隠さず書きます。
CVSCAN Lab の記事の数値は2026年9月12日時点の603件で凍結しています。 トップページの業種別ベンチマークだけは、その後の診断を含めた最新値を毎日集計して表示しているため、記事の数値とは母数が異なります。
1. 調査対象の選定
20業種それぞれについて、その業種で実際に集客しているサイトを30件ずつ選びました(美容・サロンのみ33件)。合計603件です。
- 選定方法:業種ごとの主要な検索語(例「歯科医院」「社労士 顧問」)と、地域を変えた検索を組み合わせ、実在の事業者サイトを人手で選定しました。 検索順位の上位から機械的に取得したわけではありません。
- 取得期間:2026年9月8日〜2026年9月12日
- 業種の割り当て:サイトの主業と主要CV(問合せ・予約・購入)で判断し、下記20業種に分類しています。
2. 除外ルール
- robots.txt で拒否されているサイトは取得しません。クロールの前に必ず確認し、拒否されていればその時点で中止します。
- ログインが必要なページ、公開前のサイトは対象外です。
- ポータル・比較メディアは原則として除外し、事業者自身のサイトを選んでいます。ただし「美容・サロン」の30件中3件は、選定時にポータルが混じったまま残っています。 この3件は来店予約を持たないため、当該業種のCV・UXスコアが構造的に低く出ている可能性があります。差し替えは未実施です。
- 取得できなかったページは、その項目を減点せず「判定不能」として扱います。リンク切れ判定では 401・403・429・503 を「判定不能」に分離し、レート制限で弾かれただけのページをリンク切れに数えないようにしています。
3. 取得方法
- 対象ページ:トップページに加え、グローバルナビから主要導線を最大5ページ選んで取得します(料金・事例・問合せ等を優先し、階層の浅いものを優先)。
- 描画:実ブラウザ(Chromium)で描画してから解析します。JavaScript で生成される要素も対象に含まれます。
- 画面幅:デスクトップ 1280×900、モバイル 390px 相当。両方でスクリーンショットを取得し、視覚項目の判定材料にします。
- リンク切れ:内部リンクから最大40件を検査します。計測パラメータ(utm、gclid 等)を除いた実URLで重複を排除します。
- robots.txt:取得前に必ず確認し、禁止されている場合はクロールしません。
Crawl-delayの指定があれば従います(上限5秒)。 - User-Agent:用途で分けています。
- 本調査のような一括取得:ブラウザのUAの末尾に
cvscan-bot/1.0 (+https://cvscan.jp/methodology)を付けて名乗ります。こちらから伺うアクセスなので、識別できる形にしています。User-agent: cvscan-botでこのページを指定していただければ、その指示に従います。 - 利用者ご自身のサイトの診断:通常のブラウザのUAで取得します。 サイト運営者ご本人の依頼で数ページを読むだけであり、かつBot対策で弾かれると診断そのものが成立しないためです。
- 本調査のような一括取得:ブラウザのUAの末尾に
- アクセス間隔:ページ間を一括調査時は2秒以上、利用者からの診断時は1.2秒以上空けます。 サーバー全体での同時実行は2件までに制限しており、対象サイトに負荷が集中しないようにしています。
4. 採点の定義(4軸50項目)
共通の50項目で採点します。これに加えて、業態(来店型・EC型)に応じた4項目を出し分けます。
| 群 | 項目数 | 内容 |
|---|---|---|
| T | 10 | サイト基盤 |
| V | 8 | 視覚・UI |
| N | 8 | ナビゲーション・回遊 |
| C | 8 | コンテンツ |
| CV | 8 | コンバージョン導線 |
| F | 8 | フォーム |
判定方式の内訳
項目ごとに、誰が判定するかを固定しています。
| 方式 | 項目数 | 説明 |
|---|---|---|
| 機械判定 | 17 | HTMLとレンダリング結果から決定論的に判定。同じサイトなら何度実行しても同じ結果になります。 |
| AI判定 | 14 | スクリーンショットと本文をAIが評価。訴求力や情報の優先順位など、機械的に測れない項目です。 |
| 併用 | 17 | 機械判定の実測値をAIに渡し、文脈を踏まえて採点します。 |
| 対象外 | 2 | 公開情報からは判定できない項目(バリデーション方式・エラーメッセージの品質)。所見のみ記載し、点数は付けません。 |
表示速度
サイト基盤のうち表示速度(T-08)は、Google の PageSpeed Insights API(モバイル)の結果を使います。Core Web Vitals の値はここから取得しています。APIが取得できなかった場合は「未取得」とし、減点しません。
見ていないもの
GA4・Search Console の実データは見ていません。公開されているHTMLと、そこから機械的に得られる情報だけで診断します。したがって、実際の流入数・直帰率・コンバージョン数・検索順位は判定材料に含まれません。 これらは「未取得データ」としてレポートに明示しています。
5. 判定基準の出典
点数の閾値は、可能な限り外部の一次ソースに合わせています。自作の基準で判断している部分と、外部基準に依拠している部分を区別してください。
- 表示速度・Core Web Vitals:web.dev の Core Web Vitalsの公式しきい値(LCP 2.5秒/CLS 0.1/INP 200ms)に準拠。
- 構造化データ:Google 検索セントラルの構造化データ要件に沿って、必須プロパティの充足を判定。
- タップ領域:WCAG 2.2 Target Size (Minimum)の 24×24px を下限、実務上の推奨として 44×44px を併記。
- コントラスト比:WCAG 2.2 Contrast (Minimum)の 4.5:1(大きな文字は 3:1)。
- 入力支援:HTML の autocomplete 属性の付与状況。
- それ以外(訴求力・情報の優先順位・信頼要素の配置など):外部の公式基準が存在しない領域です。 ウェブ解析士マスターとしての実務経験に基づく評価基準であり、客観的な正解があるものではありません。
6. 偏差値の算出
4軸の点数を、母集団の中での相対位置に換算します。いわゆるT得点です。
偏差値 = 50 + 10 × (自サイトの点数 − 母集団の平均) ÷ 母集団の標準偏差
- 母集団の切り替え:同業種の診断が10件以上あれば同業種内、足りなければ全業種を母集団にします。どちらを使ったかはレポートに明示します。
- 最低件数:全業種でも5件未満のときは偏差値を表示しません。
- 母集団に入れないもの:動作確認用のモックとサンプルレポートは除外します。
- 広告専用LP:検索流入を想定しないページ(noindex)と申告された場合、SEO・LLMOの2軸を評価対象から外し、残る2軸で総合と偏差値を計算します。母集団側も同じ軸で揃えて比較します。
サンプル数に関する注意。各業種の母数は30件前後です。この規模では、外れ値が1〜2件あるだけで標準偏差が動き、偏差値が数ポイント変わります。 業種内比較の下限である10件では、さらに不安定です。偏差値は順位の目安として読み、1〜2ポイントの差に意味を求めないでください。
7. この調査の限界
できないことを先に書きます。ここを踏まえずに数値だけ引用すると、実態を誤って伝えることになります。
- 公開HTMLベースの静的診断です。実際にユーザーがどう動いたかは見ていません。「押しにくそうなボタン」は判定できますが、「実際に押されなかった」ことは判定できません。
- AI判定の項目には再現性の幅があります。同じサイトを2回診断すると、AI判定項目の点数は数ポイント動くことがあります。機械判定の17項目は完全に再現します。
- 画像内の情報は読めません。電話番号や営業時間を画像で置いているサイトは「情報なし」と判定されます。実際には掲載されていても、機械には見えないという意味です。 この差は業種によって偏るため、集計値を読む際は注意が必要です。
- 取得は1時点のスナップショットです。期間限定のキャンペーンや、A/Bテストの片方の出し分けに当たっている可能性があります。
- 各業種30件は、その業種を代表する標本ではありません。無作為抽出ではなく、検索で見つかる事業者サイトを人手で選んでいます。傾向を示すものであり、業界全体の統計ではありません。
8. 誰が作っているか
設計・採点基準の監修は滝沢 哲平(WACA認定ウェブ解析士マスター)。CVR改善コンサルタントとして、20年にわたりサイト分析と改善の実務に携わっています。 この診断は、有償のコンサルティングで最初に確認している観点をそのまま自動化したものです。
本ページの内容は、診断の仕様変更に応じて更新します。CVSCAN Lab の記事の数値は2026年9月12日時点で凍結しており、以後の再集計は行いません。