本記事の数値について 20業種603サイトを同一基準で実測した、2026年9月12日時点の診断データに基づきます。以後の診断で母数は増えますが、本記事の数値は再集計せず固定しています。集計方法・採点基準・限界は調査方法と採点基準をご覧ください。
canonicalタグは、地味な存在です。ページを開いても見た目には何も変わらず、訪問者が気づくこともありません。ですが、検索エンジンに「このURLが正規版です」と伝える役割を持ち、設定されていないと、同じ内容のページが複数のURLとして別々に評価されてしまう可能性があります。
603サイトのトップページを実測すると、この基本的な設定が抜けているサイトが3割ありました。
603サイトの実測:トップページのcanonical未設定は30%
603サイトのトップページを対象に、canonicalタグの有無を確認しました。
| 状態 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| canonical設定あり | 422件 | 70% |
| canonical未設定 | 181件 | 30% |
表① トップページのcanonical設定状況
3割という数字は、他の基本的な技術項目と比べても軽視できない未設定率です。canonicalは、URLにパラメータが付いた場合や、末尾のスラッシュの有無、httpとhttpsの混在、wwwありなしの混在など、同一内容が複数のURLで存在し得る場面で特に効いてきます。設定がなければ、検索エンジンはどのURLを正規のページとして扱うかを独自に判断することになり、評価が分散したり、意図しないURLがインデックスされたりするリスクが考えられます。
なお、今回の集計はトップページ1ページを対象にしたものです。下層ページまで含めた全ページでの未設定率は、この集計には含まれていません。トップページで未設定のサイトは、他のページでも同様の傾向がある可能性がありますが、断定はできません。
サイトモデルで見ると、来店型・EC型がやや高い
サイトモデル別に見ると、差があります。
| モデル | 件数 | canonical未設定 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせ型 | 271件 | 72件 | 26.6% |
| 来店型 | 302件 | 99件 | 32.8% |
| EC型 | 30件 | 10件 | 33.3% |
表② サイトモデル別・canonical未設定率
来店型とEC型は3割を超え、問い合わせ型より高くなっています。件数で見ても、来店型の99件は181件中最も多く、絶対数としての影響も大きい層です。
なぜこの差が生まれるか
canonicalタグは、CMSやテーマ側で自動的に出力される場合と、手動で追加が必要な場合があります。WordPressの主要なSEOプラグインを使っていれば標準で出力されますが、独自のHTMLで組まれたサイトや、簡易的なホームページ作成サービスで作られたサイトでは、設定機能自体がない、あるいはデフォルトで無効になっているケースが考えられます。
来店型やEC型に未設定が多い背景には、これらの業態で比較的、簡易な制作サービスやテンプレートを使ったサイト構築が多い可能性があります。一方で、問い合わせ型のサイトはBtoB向けの制作会社が関わることが多く、SEOを意識した技術的な設定が標準的に組み込まれやすいという事情があるのかもしれません。ただし、今回のデータだけでは、制作手段の違いまでは特定できません。
「設定してあるつもり」という見落としもある
今回の集計は、canonicalタグそのものの有無だけを見ています。実は、設定してあっても機能していないケースも別に存在します。よくあるのは次のようなパターンです。
- 他ページのURLを指してしまっている:テンプレートを複製した際に、canonicalの値だけ書き換え忘れ、別ページを正規URLとして指定してしまう
- 相対パスで書かれている:
href="/"のような相対パス指定は、実装やクローラーによって解釈が揺れる余地があります。絶対URLでの記述が推奨されます - http版とhttps版で内容が食い違う:常時SSL化した後に、http版のcanonical設定を見直していない
これらは今回の集計対象には含まれていません。「未設定」の181件とは別に、「設定してあるが指し先が違う」サイトが一定数含まれている可能性があり、実際の課題はこの数字よりもやや広いと考えられます。
自社サイトではどう確認するか
自社サイトのトップページを開き、ブラウザの「ページのソースを表示」機能で、<head>内に<link rel="canonical" href="...">という記述があるかを確認してください。あれば、href属性のURLが自社サイトの正規のURL(httpsか、wwwの有無など)と一致しているかも合わせて見ておくと安心です。
見当たらない場合、CMSやSEOプラグインの設定画面に、canonical URLを自動出力する機能がないかを確認してください。多くの場合、有効化するだけで解消します。独自HTMLのサイトであれば、<head>内に1行追加するだけの作業です。
下層ページについても、同じ確認を主要なページ(サービス紹介・料金・会社概要など)で行うと、より確実です。
自社サイトの技術的な基盤がどこまで整っているかは、コンバージョン偏差値スキャナーにURLを入れると、canonicalを含む技術基盤の採点結果が確認できます。
まとめ
- 603サイトのトップページで、canonical未設定は181件・30%だった
- サイトモデル別では、来店型32.8%・EC型33.3%が、問い合わせ型26.6%より高い
- canonicalが未設定だと、重複URLが別々に評価され、SEO評価が分散するリスクが考えられます
- 今回の集計はトップページのみが対象で、下層ページの未設定率は含まれていません
- 確認と修正は、ソースの確認とCMS側の設定変更で完結する軽微な作業であることが多いです
集計方法の詳細は調査方法と採点基準、他業種の総合スコアは20業種の総合スコア一覧をご覧ください。






