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2026.10.24読了目安 約14分

国内602サイトの表示速度を測り直した。テストでは98%が基準外、実際の利用者では56%が合格

20業種602サイトのトップページを、Googleの PageSpeed Insights(スマホ)で測り直しました。テストではメイン表示まで中央値16.4秒、2.5秒以内は1.9%。ところが実際の利用者の計測では、速度の基準を満たすサイトが56.0%と、世界の48%を上回りました。ページの重さは世界の約2.5倍。国内サイトの弱点は「表示」ではなく「操作への反応」でした。

本記事の数値について 国内側は、20業種の調査対象602サイトのトップページを、2026年10月16日にGoogleの PageSpeed Insights(スマホ)で測り直した結果です(計測できたのは591サイト)。「テスト」はその場でGoogleが読み込んだ結果(ラボデータ)、「実際の利用者」はChromeの利用者から集めた直近28日間の実測(フィールドデータ)です。世界側は、前回紹介した HTTP Archive「Web Almanac 2025」(2025年7月の計測)から引用しています。時期も母集団も違うので、世界との比較は目安としてお読みください。

前回は、表示が0.1秒速くなるとフォームの送信が21.6%増えたという海外の調査と、世界のスマホサイトで速度の基準を満たすのは48%という報告を紹介しました。

では、日本の中小企業のサイトはどうなのか。CVSCAN Labが実測している20業種602サイトを、自社サイトの診断でもおなじみの PageSpeed Insights で、1件ずつ測り直しました。結果は、予想と少し違うものでした。

16.4秒テストでのメイン表示
(中央値・スマホ)
6.6MBトップページの重さ
(世界は約2.6MB)
56%実際の利用者で
基準を満たす(世界48%)
29%操作への反応(INP)
で不合格

国内20業種602サイトのトップページを PageSpeed Insights(スマホ)で計測(2026年10月)。実際の利用者の数値はサイト全体の直近28日。世界の数値は Web Almanac 2025(2025年7月)

テストでは、ほぼすべてのサイトが「遅い」

まず、PageSpeed Insights の下半分に出る「テスト」の結果です。ページのいちばん大きな部分(多くはトップの写真や見出し)が表示されるまでの時間(LCP)は、中央値で16.4秒でした。Googleが「良好」とする2.5秒以内に収まったのは、**591サイト中わずか1.9%**です。

画面上の速度スコア(100点満点)も、中央値は37点。50点未満が69.2%、90点以上は1.2%でした。自社サイトを測って「赤い点数」に驚いた経験のある方も多いと思いますが、国内では、それがむしろ普通だということです。

業種別に見ると、遅い業種には、写真を多く見せる業種が並びました。

自動車販売・整備31.8秒
飲食27.5秒
建築・リフォーム26.4秒
結婚式場・ブライダル25.0秒
(全体の中央値)16.4秒
士業11.4秒
整体・治療院11.1秒
レンタルサーバー・VPS9.8秒

図① テストでのメイン表示(LCP)の中央値、遅い4業種と速い3業種(スマホ。各業種28〜33サイト)

車の写真、料理の写真、施工事例、挙式の写真。どれも「見せたい」ものですが、それがページの重さにつながっている可能性があります。

ページの重さは、世界の約2.5倍

実際に、トップページを開くときに読み込むデータの量を比べると、差ははっきりしています。国内602サイトの中央値は6.6MB。Web Almanac 2025によれば、世界のスマホ向けトップページの中央値は約2.6MBなので、約2.5倍の重さです。10MBを超えるサイトが29.3%、20MBを超えるサイトも56ありました。

ページが重いサイトほど、テストでの表示時間も長い傾向がありました。

3MB未満(101サイト)8.0秒
3〜6MB(168サイト)14.8秒
6〜10MB(149サイト)20.0秒
10MB以上(173サイト)31.8秒

図② トップページの重さ別に見た、テストでのメイン表示(LCP)の中央値

ところが、実際の利用者では半数以上が合格していた

ここからが、今回いちばん意外だった結果です。PageSpeed Insights の上半分に出る「実際のユーザーの環境」の計測は、Chromeの利用者が実際にそのサイトを見たときの記録です。アクセスが一定以上あるサイトにしか出ませんが、今回は**591サイト中486サイト(82.2%)**にこのデータがありました。

速度の基準(Core Web Vitals)は、表示の速さ(LCP)、操作への反応(INP)、表示のずれ(CLS)の3つが、利用者の75%で「良好」なら合格です。3つすべてのデータがそろった461サイトで判定すると、合格は56.0%。前回紹介した世界のスマホサイトの48%を、むしろ上回っていました。

国内(実際の利用者)

  • 速度の基準に合格:56.0%
  • 表示の速さ(LCP)良好:80.9%
  • 操作への反応(INP)良好:70.9%
  • 表示のずれ(CLS)良好:91.6%

世界(Web Almanac 2025)

  • 速度の基準に合格:48%
  • 表示の速さ(LCP)良好:62%
  • 操作への反応(INP)良好:77%
  • 表示のずれ(CLS)良好:81%

図③ 実際の利用者の計測(スマホ)で比べた国内と世界。国内は2026年10月時点の直近28日、世界は2025年7月。時期と母集団が違うため目安

テストで16秒かかるサイトが、実際の利用者には2.5秒以内で表示されている。実際、実際の利用者で表示が「良好」だったサイトの79.6%は、テストでは10秒以上かかっていました。

なぜ、テストと実際でここまで違うのか

PageSpeed Insights の説明によれば、テストは中くらいの性能のスマホ(Moto G4相当)とモバイル回線を想定し、決まった条件で1回だけ読み込んだ結果です。意図的に厳しめの環境で測っています。

一方、実際の利用者の計測は、そのサイトのすべてのページ、すべての訪問の記録です。2回目以降の訪問で写真が手元に残っている場合も含まれます。国内の利用者の端末や回線が、テストの想定より速いことも考えられます(これは今回のデータから確かめられることではなく、推測です)。

つまり、テストの点数は「最も条件の悪い利用者にどう見えるか」の目安であって、そのまま「お客様が感じている速さ」ではありません。テストの点数が低いことだけを理由に、慌ててサイトを作り直す必要はない、ということです。

それでも、速度を気にしなくていいわけではない

ただし、安心するのは早いところが3つあります。

**1つ目は、不合格が44%残っていることです。**しかも不合格の理由は、世界とは違っていました。

操作への反応(INP)が不合格29.1%
表示の速さ(LCP)が不合格18.7%
表示のずれ(CLS)が不合格8.7%

図④ 3指標すべてにデータがある461サイトのうち、各指標で不合格だったサイトの割合(重複あり)

世界ではいちばんの弱点だった「表示の速さ」は、国内ではむしろ良好です。代わりに、**ボタンを押してから画面が反応するまでの速さ(INP)**で、10サイトに3サイトがつまずいています。メニューを開く、タブを切り替える、フォームに入力する。そうした操作のたびに画面が一瞬固まる状態です。後から足した計測タグ、チャット、動くスライダーなど、ページで動くプログラムが多いと起きやすくなります。

**2つ目は、合格でも、全員が快適とは限らないことです。**基準は「利用者の75%で良好」なので、残りの最大25%の体験は、この判定には表れません。古いスマホや電波の弱い場所で見ている人は、その中に入りやすいと考えられます。重さが世界の2.5倍あるページは、そうした人ほど待たされます。前回の調査が示したとおり、その待ち時間はフォームの送信率に響きます。

**3つ目は、実測のデータが無いサイトが18%あることです。**アクセスが少ないサイトでは、実際の利用者の様子が分かりません。その場合は、テストの結果を「改善の手がかり」として見るしかありません。

業種別に見ても、実際の利用者での合格率にはかなりの差があります。

飲食(29)86%
医療・クリニック(26)73%
製造業(30)73%
(全体)57%
教育・スクール(28)39%
建築・リフォーム(26)38%
EC・小売(29)38%
人材・採用(30)20%

図⑤ 実際の利用者での速度の基準の合格率(上位3業種と下位4業種。カッコ内は実測データがあったサイト数。20サイト以上ある業種のみ。INPのデータが無いサイトはLCPとCLSで判定)

テストでは2番目に遅かった飲食が、実際の利用者ではいちばん合格率が高い。テストと実際の差を、よく表している例です。逆に人材・採用は、30サイト中19サイトが操作への反応(INP)で不合格でした。求人の検索や絞り込みなど、画面の上で動く仕組みが多いことが関係しているのかもしれません(今回のデータでは確かめていません)。

自社サイトの PageSpeed Insights の読み方

  • まず上半分(実際のユーザーの環境)を見る。「Core Web Vitals の評価:合格」なら、下の点数が赤くても、多くのお客様は困っていない
  • 不合格なら、3つのうちどれが赤いかを見る。国内ではINP(操作への反応)が多い。タグやチャット、スライダーなど、後から足したものを疑う
  • 上半分にデータが出ないなら、下半分のテスト結果を手がかりにする。特にページの重さ(「過大なネットワーク ペイロードの回避」に出る合計サイズ)と、トップの大きな写真
  • 合格していても、ページが10MBを超えているなら写真の圧縮を検討する。75%の外にいる、条件の悪いお客様のため
  • トップページだけでなく、フォームまでの道のりのページも測る

点数の赤さに振り回されず、「実際の利用者」の評価と、どの指標でつまずいているかを先に見る

まとめ

コンバージョン偏差値スキャナーでは、表示速度を含む50項目でサイトを採点し、改善の優先順位を示しています。URLを入れるだけで、最短60秒・登録不要で結果が表示されます。

出典:HTTP Archive「Web Almanac 2025」Performance/同 Page Weight/Google「PageSpeed Insights について」

この記事を引用するとき:CVSCAN Lab「国内602サイトの表示速度を測り直した。テストでは98%が基準外、実際の利用者では56%が合格」(2026.10.24公開、コンバージョン偏差値スキャナー)https://cvscan.jp/column/overseas-speed-japan-sites

この記事の観点で、自社サイトはどうか

記事で触れた項目を含む4軸50項目を、URLひとつで採点します。同業種の中での偏差値と、今日から着手できる改善案まで。結果はその場で表示、最短60秒です。

記事の数値の集計方法は 調査方法と採点基準 をご覧ください。

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記事の監修

CVR改善コンサルタント

2007年、Eコマースビジネスの立ち上げを機にWeb解析の世界に触れ、以降、サイト分析から改善アクションのPDCAを粘り強く回し続けた結果、1年で2億円規模の事業へと成長させる。

10年以上にわたり、中小企業から大企業まで累計100社を超えるBtoB企業のコンバージョン率改善(CRO)で成果を上げている。

近年はAIを活用した分析・改善業務の効率化と、生成AI検索時代のマーケティング戦略に注力。

この診断プログラムは、普段の有償コンサルティングで最初に確認している観点を、そのまま自動化したものです。採点基準と改善提案の文面を監修しています。

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