本記事の数値について 20業種603サイトを同一基準で実測した、2026年9月12日時点の診断データに基づきます。以後の診断で母数は増えますが、本記事の数値は再集計せず固定しています。集計方法・採点基準・限界は調査方法と採点基準をご覧ください。
「うちのサイトにはフォームがある」と思っていても、実際にトップページから見つけられるかどうかは別問題です。603サイトを実測すると、トップページからフォームを検出できなかったサイトが半数近くありました。
これは必ずしも「問い合わせ手段がない」という意味ではありません。フォームの代わりに電話番号やLINE、外部の予約システムへのリンクが置かれているケースも多く含まれます。問題は、その代替導線がどれだけ機能する形になっているかです。
603サイトの実測:フォームなしは287件・47.6%
603サイトのうち、トップページからフォームを検出できなかったサイトは287件、**47.6%**でした。ほぼ半数です。
| 状態 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| フォームを検出 | 316件 | 52.4% |
| フォームを検出できず | 287件 | 47.6% |
表① フォーム検出結果(全体)
この287件を、代替導線の有無でさらに分けると、次のようになります。
| 代替導線の状態 | 件数(287件中) | 割合 |
|---|---|---|
| 何らかのCTA(電話・LINE・外部予約等)あり | 279件 | 97.2% |
| うちtel:リンクとして機能 | 91件 | 31.7% |
表② フォームなし287件の内訳
97.2%には何らかの代替導線があり、「問い合わせ手段が皆無」というサイトはごく少数です。ただし、その代替導線がタップ1回で機能する形——たとえば電話番号がtel:リンク化されている状態——になっているのは31.7%にとどまります。この点は、tel:リンク未実装の実態でも扱った内容と重なります。
業種で見ると、83.3%から20%まで開きがある
フォームなしの割合を業種別に見ると、大きな差があります。
| 業種 | フォームなし | 割合 |
|---|---|---|
| 医療・クリニック | 25/30 | 83.3% |
| 飲食 | 23/30 | 76.7% |
| 不動産 | 18/30 | 60.0% |
| 美容・サロン | 19/33 | 57.6% |
| 結婚式場・ブライダル | 17/30 | 56.7% |
| 製造業 | 17/30 | 56.7% |
| SaaS・クラウドサービス | 16/30 | 53.3% |
| 歯科 | 15/30 | 50.0% |
| IT受託・Web制作 | 15/30 | 50.0% |
| 自動車販売・整備 | 15/30 | 50.0% |
表③ フォームなし割合が高い業種(上位10)
反対に低いのは、物流・発送代行20.0%、人材・採用23.3%、介護・福祉26.7%、観光・宿泊30.0%、士業36.7%でした。
なぜこの差が生まれるか
上位に並ぶ業種を見ると、共通するのは「電話が主要な連絡手段として定着している」業態だという点です。医療・クリニックや歯科は予約の電話確認が前提になりやすく、飲食は当日の空席確認や予約変更が電話で完結することが多い業態です。フォームより電話のほうが早いという実務上の理由から、フォームへの投資が後回しになっている可能性があります。
一方、下位に並ぶ物流・発送代行や人材・採用、介護・福祉は、見積もりや応募、相談の初期段階で、荷物の内容や希望条件、家族の状況など、ある程度の情報を事前にまとめて伝える必要がある業態です。電話でいきなり話すよりも、フォームで整理して伝えるほうが双方にとって都合がよく、結果としてフォームの設置率が高くなっていると考えられます。
美容・サロンや結婚式場・ブライダルがフォームなしの上位に入っているのは、外部の予約プラットフォームを主要な予約導線として使い、自社サイト側には設置していないケースが含まれている可能性があります。この場合、自社サイトに問い合わせ機能がないこと自体は大きな問題ではありませんが、そのリンクが分かりやすい場所にあるかは別途確認が必要です。
自社サイトではどう確認するか
まず、自社サイトのトップページを開いて、フォームへの入り口がどこにあるか探してください。フォームがない場合は、代わりに何を用意しているかを確認します。電話番号なら、タップして発信画面が開くか。外部予約システムへのリンクなら、それがトップページの目立つ位置にあるか。LINEなら、タップで友だち追加の画面が開くか。
フォームがあること自体を目的にする必要はありません。大事なのは、自社の主要な問い合わせ経路がどれかを把握し、その経路がタップやクリック1つで機能する状態になっているかです。フォームを新設するより先に、今ある代替導線を機能する形に直すほうが、多くの場合は着手しやすい改善になります。
自社サイトの問い合わせ導線がどこまで機能しているかは、コンバージョン偏差値スキャナーにURLを入れると、フォームや代替導線を含めて同業種内での位置が分かります。
まとめ
- 603サイトのうちフォームを検出できなかったのは287件・47.6%とほぼ半数
- 287件のうち97.2%には何らかの代替導線があるが、tel:リンクとして機能しているのは31.7%にとどまる
- 業種別では医療・クリニック83.3%、飲食76.7%が突出して高く、物流・発送代行20.0%が最も低い
- フォームがないこと自体より、代替導線が機能する形になっているかが実務上の焦点になります
集計方法の詳細は調査方法と採点基準、他業種の総合スコアは20業種の総合スコア一覧をご覧ください。






