本記事の数値について 国内側は、20業種603サイトを同一基準で実測した2026年9月12日時点の診断データのうち、集計できた602サイトのトップページが対象です。PCは幅1280×高さ900、スマートフォンは390×664(iPhone 13相当)で描画し、ページの高さを1画面の高さで割って「何画面ぶんか」を出しています。海外側は前回の記事で扱ったNielsen Norman GroupのPCでの視線計測(2018年)です。画面の大きさも対象も違うため、厳密な比較ではなく傾向を読む材料としてお読みください。集計方法は調査方法と採点基準をご覧ください。
前回の記事で、PCでのページ閲覧時間の57%がファーストビュー(ページを開いて最初に見える範囲)、81%が3画面目までに使われるという視線計測を紹介しました。人は以前よりスクロールするようになったものの、見られるのはやはりページの上の方です。
では、CVSCAN Labが実測している20業種602サイトのトップページは何画面あり、問い合わせや予約のボタンはどこにあるのか。測った結果をお見せします。
長さ(中央値)
トップページ
行動ボタンが無い
(中央値)
国内20業種602サイトのトップページ(2026年9月12日時点)。PCは1画面=900px、スマホは1画面=664px
トップページは中央値8.1画面、95%が3画面を超える
PCで表示したトップページの長さは、中央値で8.1画面ぶんでした。半分のサイトは5.7〜11.7画面の間に収まります。
図① PCトップページの長さの分布(602サイト、1画面=900px)
3画面以内に収まっているのは5.0%だけで、95.0%は3画面を超えています。前回のNN/gの計測に当てはめると、ほとんどのサイトで、トップページの内容の多くが「閲覧時間の2割弱しか残っていない範囲」に置かれていることになります。
スマートフォンではさらに長くなります。中央値は12.6画面で、**20画面を超えるサイトが19.6%**ありました。
長いこと自体は問題ではありません。前回書いたとおり、人は以前よりスクロールします。問題は、長いページのどこに行動ボタンがあるかです。
ヘッダーを除くと、ファーストビューに行動ボタンがあるのは39.7%
ここでいう行動ボタンは、問い合わせ・予約・電話・資料請求・見積りなど、成果につながるボタンやリンクのことです。
PCのファーストビューに行動ボタンが1つ以上あるサイトは**85.9%でした。一見すると十分に見えます。ところが、ヘッダーと、スクロールしても消えない追従ボタンを除いて、本文の中にあるものだけを数えると39.7%**に下がります。差の278サイトのうち243サイト(87.4%)は、ヘッダーにある「お問い合わせ」などのリンクでした。
図② PCのファーストビューに行動ボタンがあるサイトの割合(602サイト)
ヘッダーのリンクは、ナビゲーションの1項目として他のメニューと並ぶため、「ここから申し込める」と気づかれにくい場所です。そしてスマートフォンでは、ファーストビューに行動ボタンがあるサイトは**62.2%**に下がりました。PCでヘッダーに並んでいたリンクが、スマートフォンではメニューの中に格納されることが一因の可能性があります(メニューの中身は今回の集計では確かめていません)。
上から3画面に、本文の行動ボタンが無いサイトが34.1%
閲覧時間の81%が使われる「上から3画面」に範囲を広げても、本文の中に行動ボタンが無いサイトは**205サイト、34.1%**ありました。内訳は、本文のボタンが3画面より下にしかないサイトが100、本文にボタンが1つも無いサイトが105です。
ここで助けになるのが、スクロールしても画面に残り続ける追従ボタンです。追従ボタンがあれば、どこまで読み進めても押せます。追従する行動ボタンを持つサイトは40.2%でした(追従ボタンの設計についてはこちらの記事で詳しく扱っています)。
○ どこで決めても押せる
- 本文の上から3画面以内に行動ボタンがある
- または、追従ボタンがある
- 602サイト中 494サイト(82.1%)
✕ 上の方で決めた人が押せない
- 本文の上から3画面以内に行動ボタンが無い
- 追従ボタンも無い
- 602サイト中 108サイト(17.9%)
図③ 本文の上から3画面と追従ボタンの両方で見たときの分かれ方
約6サイトに1サイトは、閲覧時間の8割が使われる範囲で「申し込みたい」と思った人が、ヘッダーまで戻るか、下までスクロールして探すしかない状態です。
測り方が違う点
① 「1画面」の大きさが違います。NN/gは高さ1080pxの画面、こちらは900pxで測っています。NN/gと同じ1080pxに換算しても、長さの中央値は6.8画面、3画面を超えるページは91.7%、上から3画面に本文の行動ボタンが無いサイトは30.4%、追従ボタンも無いサイトは16.3%で、結論は変わりません。
② 行動ボタンは文言で判定しています。「問い合わせ」「予約」「資料」「電話」などの語や電話番号のリンクで判定するため、文字の無い画像だけのボタンは数えていません。抜き取りで4サイトのスクリーンショットを確認したところ、3サイトは判定どおりでしたが、1サイトでは店舗検索のための追従ボタンを行動ボタンとして数えていました。このため、追従ボタンがあるサイトの割合(40.2%)はやや多めに、追従ボタンも無いサイトの割合(17.9%)はやや少なめに出ている可能性があります。
③ トップページだけを測っています。サービスページや記事ページから問い合わせる人の動きは含みません。
④ 閲覧時間は海外の別の調査です。国内の602サイトで視線を測ったわけではありません。
何から直すか
- 自社のトップページをPCとスマホで開き、上から3回スクロールするまでに行動ボタンが見えるか確かめる
- ヘッダーの「お問い合わせ」だけに頼らず、ファーストビューの本文にも1つ置く
- 5画面を超えるページなら、スクロールしても消えない追従ボタンを付ける
- スマホでは、メニューを開かないと問い合わせ先が見えない状態になっていないか確かめる
- 電話で受けたい業種なら、電話番号をタップで発信できるリンクにする
最初の確認は道具がいらない。自分のスマホで、上から3回スクロールするだけ
ページを短くする必要はありません。今ある長いページに、途中で押せる場所を足すことで、上の方で「問い合わせたい」と思った人が押せる場所を用意できます。問い合わせがどれだけ増えるかは、今回の計測では確かめていません。
まとめ
- 国内602サイトのPCトップページは中央値8.1画面。95.0%が3画面を超え、スマホでは中央値12.6画面だった
- ファーストビューに行動ボタンがあるサイトは85.9%だが、ヘッダーを除くと39.7%。スマホでは62.2%に下がる
- 本文の上から3画面に行動ボタンが無いサイトは34.1%。追従ボタンも無いサイトは17.9%
- NN/gと同じ1080pxの画面に換算しても結論は変わらない
- ページを短くしなくても、途中で押せる場所(本文中のボタン、追従ボタン)は足せる。成果への効果は今回の計測の範囲外
コンバージョン偏差値スキャナーでは、ファーストビューの訴求や行動ボタンの位置、追従ボタンの有無をUI/UXの軸で採点しています。URLを入れるだけで、最短60秒・登録不要で結果が表示されます。






