本記事の数値について
20業種603サイトを同一基準で実測した、2026年9月12日時点の診断データに基づきます。以後の診断で母数は増えますが、本記事の数値は再集計せず固定しています。集計方法・採点基準・限界は調査方法と採点基準をご覧ください。
車を買うとき、人は一度で決めません。数十万円から数百万円の買い物で、家族と相談し、複数の店を比べ、同じサイトに何日かおきに戻ってきます。車検や整備も、一度預けた先とは十年単位の付き合いになります。判断に時間がかかり、そのぶん比較材料を必要とする業態です。
一方で、この業界の商談は長く対面で完結してきました。店頭で現車を見て、担当者と話して決まる。サイトはその手前の看板であればよかった。その前提が、いまの数字に表れているように見えます。
30サイトを診断したところ、総合スコアは49点で20業種中20位でした。ただしこれは努力不足を意味する数字ではありません。比較検討を終えてから来店する人が増えた分だけサイトに求められる役割が変わり、その対応がまだ途中だということだと考えられます。裏を返せば、伸びしろが最も大きい業種でもあります。
20業種中20位
平均より-3
平均より-13
診断サイト数
自動車販売・整備の実測サマリー(2026年9月12日時点)
| 評価軸 | 自動車販売・整備30件 | 全業種平均603件 |
|---|---|---|
| SEO | 42 | 55 |
| LLMO | 30 | 43 |
| 基盤 | 66 | 69 |
| UX | 58 | 62 |
| 総合 | 49(20業種中20位) | — |
表① 自動車販売・整備の4軸スコアと全業種平均
図① 自動車販売・整備の4軸スコア。数字は「自業種/全業種平均・差」(2026年9月12日時点)。青緑=平均より3点以上高い軸、朱=3点以上低い軸
目立つのは、軸ごとの差の付き方です。基盤は66点で平均との差が3点、UXも4点差にとどまり、サイトそのものの作りは他業種と大きく変わりません。落ちているのはSEO42とLLMO30で、いずれも20業種で最も低い値でした。課題は「サイトの出来」ではなく「載っている情報の量と、それが機械に読める形か」に寄っています。実測でも、H1見出しが欠けているサイトが30件中21件、構造化データが一切ないサイトが22件ありました。
| 診断項目 | 平均点 | 50点未満の割合 |
|---|---|---|
| C-07 事例・実績の見せ方 | 26 | 97%(30件中29件) |
| N-L1 アクセス情報への到達 | 36 | 93%(30件中28件) |
| C-08 FAQ・疑問解消 | 38 | 63%(30件中) |
表② 自動車販売・整備30サイトの弱点トップ3
弱点その1:何を売り、何を直してきたのかが残っていない
C-07は、過去の実績や事例が判断材料として示されているかを見る項目です。平均26点、97%にあたる29件が50点未満でした。20業種を通しても最も低い水準です。
長期検討の買い物では、訪問者は価格だけを見ているわけではありません。「この店はどんな車を扱ってきたのか」「この症状の修理をやったことがあるのか」「板金の仕上がりはどの程度か」。こうした問いの答えが信頼の判断材料になります。ところが実測で多かったのは、在庫一覧はあっても納車の記録がない、整備工場なのに作業実績が1件も載っていない、という状態でした。在庫は売れれば消えます。実績を残していなければ、サイトには「いま売っているもの」しか残りません。
直し方は、記録の型を決めて続けることです。販売なら「車種・年式・ご要望・提案した内容・納車後の一言」の5項目で1件分とし、写真を1〜2枚添えます。整備・板金なら「症状・車種と走行距離・作業内容・作業前後の写真・費用の目安・作業日数」を並べます。月に4件でも、一年で48件分の判断材料が積み上がります。個人が特定される情報を伏せれば、写真1枚と3行の説明でも十分に機能します。
弱点その2:現車を見に行きたい人が、店にたどり着けない
N-L1は、所在地や行き方の情報にどれだけ短い手順で到達できるかを見る項目です。平均36点、93%にあたる28件が50点未満でした。
この業種は、最終的に必ず来店が発生します。現車を見ずに買う人はまれですし、整備なら車を持ち込むしかありません。にもかかわらず、住所がフッターに一行あるだけ、地図が埋め込まれていない、幹線道路沿いなのにどちら向きから入るのか書かれていない、といったサイトが目立ちました。車で向かう人にとって、駐車場の位置と入口の向きは住所そのものより重要な情報です。
直し方は、アクセスページを一枚仕立て直すことです。住所と地図に加えて「最寄り交差点からの入り方」「対向車線側からの迂回経路」「商談用の駐車スペースの位置と台数」「代車の受け渡し場所」を書きます。目印になる建物の写真を1枚入れると、初めて向かう人の不安がかなり減ります。そのうえで、アクセスへのリンクをフッターだけでなくヘッダーにも置いてください。来店前の連絡手段は来店型サイトの電話リンク調査でも扱っています。
弱点その3:費用と条件の疑問が、問い合わせ前に解けない
C-08はFAQや疑問解消の充実度を見る項目で、平均38点、63%が50点未満でした。実測では、FAQの構造化データ(FAQPage)を実装していたサイトは30件中0件です。
この業種の訪問者が抱える疑問は具体的です。車検の費用はどこまで含まれるのか。代車は無料か。他店で買った車の整備も受けてくれるのか。下取りだけの相談でもいいのか。聞けば数十秒で済む話ですが、そのために電話をかけるのはためらわれる種類の質問でもあります。答えが書かれていなければ、訪問者は問い合わせずに別の店を見に行きます。
直し方は、実際に来た質問をそのまま並べることです。店頭やフロントで週に何度も聞かれる質問を15個書き出し、質問文を見出し、答えを3〜5行という形で1ページにまとめます。想像で質問を作らず、実際に受けた言い回しのまま書くのが要点です。そのうえで、FAQPageの構造化データを同じページに実装します。検索エンジンや生成AIが質問と回答の対応を読み取れるようになり、LLMO30という数字の改善にも直接効いてきます。
強い部分
SSL対応は平均100点で30件すべてが対応済み、CVポイントの複数化は90点、フッターの情報設計は87点でした。問い合わせ手段を複数用意する、フッターに必要な項目を並べるといった基本はすでにできています。器は整っているので、あとは中身を足す段階です。
自社サイトではどう確認するか
- サイト内で、直近3か月の納車または整備の記録が何件読めるか数える。0件なら、まず1件目を書きます。
- スマートフォンでトップページを開き、3タップ以内でアクセス情報に着くか試す。着かなければヘッダーに導線を足します。
- 「よくある質問」のページを探す。なければ、フロントで聞かれる質問を15個書き出すところから始めます。
自社サイトで確認する手順
同業種の中での位置は、コンバージョン偏差値スキャナーでURLを入力すると、この記事と同じ基準の採点結果が偏差値で出ます。
まとめ
- 30サイトの総合スコアは49点で20業種中20位。SEO42とLLMO30は20業種で最も低い
- 基盤66・UX58と、サイトの作り自体は平均との差が小さい。不足しているのは情報の蓄積
- 事例・実績の見せ方は平均26点、97%が低評価。販売・整備の記録が残っていない
- アクセス情報への到達は平均36点、93%が低評価。来店が必須の業態で行き方が分かりにくい
- FAQは平均38点、FAQPageの実装は30件中0件。費用と条件の疑問が問い合わせ前に解けない
他業種との比較は20業種の総合スコア一覧をご覧ください。






