本記事の数値について
20業種603サイトを同一基準で実測した、2026年9月12日時点の診断データに基づきます。以後の診断で母数は増えますが、本記事の数値は再集計せず固定しています。集計方法・採点基準・限界は調査方法と採点基準をご覧ください。
リフォームや注文住宅を検討している人が、最初に抱える感情はたいてい不安です。いくらかかるのか見当がつかない。工事中は住み続けられるのか。頼んだ会社が途中で連絡を寄こさなくなったらどうするのか。金額が大きく、やり直しがきかない買い物だからです。
施工事例の写真を並べることには、どの会社も力を入れています。実測でも画像・ビジュアルの品質は平均88点と高い水準でした。ところが、その写真を見て「いいな」と思った人が次に知りたいこと——費用の考え方、工期、頼んだあとの流れ——に答える情報は、多くのサイトで抜け落ちています。
この記事の数値は、603サイトの診断のうち建築・リフォーム30サイトの集計値です。個別のサイト名や事例は扱いません。
20業種中9位
平均より+3
平均より-1
診断サイト数
建築・リフォームの実測サマリー(2026年9月12日時点)
建築・リフォーム30サイトの平均は総合58点、20業種中9位。上位グループの一角です。
| 評価軸 | 建築・リフォーム(30件) | 全業種平均 |
|---|---|---|
| SEO | 58 | 55 |
| LLMO | 44 | 43 |
| 基盤 | 68 | 69 |
| UX | 62 | 62 |
| 総合 | 58 | - |
表① 建築・リフォーム30サイトの4軸スコアと全業種平均
図① 建築・リフォームの4軸スコア。数字は「自業種/全業種平均・差」(2026年9月12日時点)。青緑=平均より3点以上高い軸、朱=3点以上低い軸
4軸のバランスは悪くありません。目立つのは、個別項目でCV-07「CVポイントの複数化」が平均92点と非常に高かったことです。資料請求、来場予約、無料相談、現地調査と、問い合わせの入口が複数用意されているサイトが大半でした。
つまり入口は足りています。問題はその先です。入口を用意しても、押すかどうかを決めるための材料がないまま置かれている——今回の弱点3つは、すべてその一点に集約されます。
弱点その1:施主が最初に抱く疑問に、答えのページがない
最も低かったのがC-08「FAQ・疑問解消」で、平均36点、50点未満が70%(30件中21件)。FAQPage構造化データを持つサイトは30件中1件でした。
リフォーム・新築の検討で出てくる疑問は、業種としてほぼ共通しています。それにもかかわらず、よくある質問のページ自体がないか、あっても「対応エリアはどこですか」程度で止まっているケースが目立ちました。
置くべき質問は、担当者が電話で毎日答えている内容がそのまま使えます。
- 費用がどう決まるか。㎡あたりなのか、一式なのか、何が変動要因になるのか
- 見積もりは無料か。現地調査の後に断った場合、費用は発生するのか
- 工期の目安。工事中は住み続けられるのか、仮住まいが必要になるのはどんなケースか
- 追加費用が発生する典型的なパターン(解体後に判明する劣化など)と、その場合の連絡の手順
- 引き渡し後の保証年数と、不具合があったときの連絡先
金額を「お問い合わせください」で伏せる判断は理解できます。ただし金額の決まり方まで伏せる必要はありません。範囲や変動要因を書くだけでも、読み手が自分の予算感と照らし合わせられるようになります。
弱点その2:最初の問い合わせで、聞きすぎている
フォームを検出できた17サイトでのF-01「入力項目数の適正さ」は平均49点、うち65%が50点未満でした。
多かったのは、最初の問い合わせの段階で住所・建物種別・築年数・希望時期・予算帯まで一度に尋ねる構成です。会社側から見れば、どれも見積もりに必要な情報です。しかし入力する側は、まだ相談するかどうかを決めていない段階です。
やり方は2つあります。
- 段階を分ける。1通目は「名前・連絡先・相談内容」の3項目までにし、詳しい条件は返信のやり取りか現地調査で埋める
- 分けられないなら理由を書く。「正確な概算をお出しするため、築年数まで伺っています」の一文を添えるだけで、入力の意味が変わります
あわせて、必須と任意の表示を見直してください。項目数とコンバージョンの関係は問合せフォームの項目数を減らすと、なぜ問合せが増えるのかで詳しく扱っています。
弱点その3:施工事例を読み終えた人を、そのまま帰している
CV-06「離脱防止施策(追従CTA等)」は平均45点、63%が50点未満でした。
この業種は検討期間が長く、施工事例を何ページも見て回る行動が起きます。ところが事例ページを下までスクロールしたとき、画面に問い合わせ手段が残っていないサイトが多く見られました。読み終えた人が、もう一度上まで戻るか、メニューを開き直すかを強いられる状態です。
直し方は次の通りです。
- スマートフォンで画面下部に固定の帯を置き、「電話」と「相談する」の2つを常時表示する。この業種で
tel:リンクが確認できたのは30件中11件で、固定帯を作る際は電話番号をリンク形式にすることもあわせて確認が必要です - 施工事例の記事末に、その事例に関連した導線を置く。「同じ内容で相談する」と書けば、一般的な問い合わせボタンより押されやすくなります
- 固定帯は画面の1〜2割に収める。事例写真を隠すほど大きいと逆効果です
自社サイトがこの3項目でどの位置にいるかは、コンバージョン偏差値スキャナーにURLを入れると同業種内の偏差値で確認できます。
強い部分
土台はよくできています。SSL対応は平均97点、CVポイントの複数化は平均92点、画像・ビジュアルの品質は平均88点。sitemap.xmlは30件中24件が設置済みでした。今回の弱点は、集客や見た目の作り込みではなく、見てくれた人を取りこぼさないための情報に偏っています。手を入れる範囲が限定されるという意味では、改善しやすい状態とも言えます。
なお、H1(ページの見出しタグ)が欠落していたサイトが30件中17件ありました。検索エンジンにページの主題を伝える基本的な要素なので、同時に確認しておく価値があります。
自社サイトではどう確認するか
スマートフォンで、次の4点を順に見てください。
- 施工事例ページを1枚開き、最後までスクロールする。画面内に問い合わせ手段が残っているか
- よくある質問のページを開き、費用の決まり方・見積もりの有償無償・工期の3つが書かれているか
- 問い合わせフォームの入力項目を数える。10を超えていたら、最初の1通に本当に必要か検討する
- 電話番号を指でタップし、発信画面が出るか
自社サイトで確認する手順
まとめ
- 建築・リフォーム30サイトの総合は58点、20業種中9位。4軸のバランスは良好
- CVポイントの複数化は平均92点。問い合わせの入口は十分に用意されている
- 一方でFAQ・疑問解消は平均36点で最下位項目。FAQPage構造化データを持つのは30件中1件
- フォームのある17サイトでは入力項目数の適正さが平均49点。初回の問い合わせで尋ねすぎている構成が目立つ
- 離脱防止施策は平均45点。長い施工事例を読み終えた人を受け止める導線が不足している
他業種との位置関係は20業種の総合スコア一覧にまとめています。






